家庭科の授業で作ったクッキー。

やはりこのような物は誰に上げるか女子は盛り上がるもので。
私の周りの友達も例外ではなく、皆誰に渡すかを話し合っていた。


「私は彼氏にあげるんだー!」
「うっわリア充じゃーん!」
「じゃあ私は……」


皆素直にそんな事が言えて羨ましい。(恥ずかしくないのかな)
名前はどうするの?と聞かれたけど私は別の友達にあげるから、と言葉を濁しある教室へと向かう。
恋い焦がれる先輩の元へ。






『浜野先輩!』

「おっ名前、今日は遅かったな〜」
『す、すいません。調理実習だったんで…』


私が向かったのは2年生の教室。
恐れ多くも私はここでお昼を食べさせてもらっている。
(友達がいないわけじゃない!)
名前を呼べば座ってお弁当を食べている浜野先輩が振り返り、隣にの速水先輩や倉間先輩も同時に振り返った。

恥ずかしながら浜野先輩は私の彼氏なのです。



「ほんとだ、名前から甘い匂いがする」

『クッキー焼いてたんですよ』



食べます?と聞けば浜野先輩はぶんぶん頷いた。
先輩たちの間にお邪魔して座り、クッキーの袋を開ける。


…正直、口に合うかどうか心配でたまらない。
でも、食べてもらいたと言う気持ちの方が大きい。


私は先輩がクッキーを一枚摘んで口に運ぶのをドキドキしながら見ていた。

サクサクと音を立てながら不動先輩の中に消えていくクッキー。
ゴクンとそれを飲み込んだ音がした。



「っちゅーかメッチャ美味いし!」
『ほ、本当ですか!?』

「おー!」


ホッと胸を撫で下ろせば、一瞬でで暗く遮られる視界。
そして唇に温かい感触。





「でも、俺はこっちの方がいいかな!」






青春とは甘いもの

(こっちの方が甘いし)
(は、は、浜野先輩!)

(でたよ2人のリア充タイム…)
(毎度ながら砂吐きそうで堪んねぇな)
●●
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -