この前ちょっと大きい街に出てみたらゲーセンで可愛いクッションを見つけた。 クッションというかぬいぐるみというか、ビーズクッションのあのなんとも言えぬ手触りのアザラシ型のクッション。 描かれている表情も短い手足も何もかもが愛らしくて思わず一目惚れしてしまった。 ゲーセンなんて滅多に足を運ばない私が金だけをつぎ込んで取ったそれは本当に愛着がわいて来る。 もっふもっふ。抱きしめれば形を変えるアザラシ。 あぁ可愛いすっと抱きしめてたい。 「…おい」 『あぁごめん典人。この子が気持ちよくってさ…!』 典人は私がこれを頑張って取ったことを知っている。 と言うか典人隣にいた。 (取ってって言ったら俺無理って一蹴されたのは忘れないんだから) そのあてつけに典人が私の家に遊びに今日、これみよがしにクッションを抱きしめている。 やっぱり結構な金を叩いてでもとって正解だった。 ´・ω・` 「…なんか腹たつなそれ」 『えぇ!この顔が可愛いんじゃん!』 「……おりゃ」 『あー!何すんの!』 ´・ω・` ちなみにこの顔文字は単に読者を腹立てようって魂胆ではない。 アザラシの顔に書かれた顔だったりする。 この残念そうな顔が可愛いっていうのにそれがわからないなんて! それどころか顔面にパンチを食らわせる典人にバッとクッションを抱きしめた体を翻す。 よしよしと頭を撫でれば手触り良く滑るアザラシ。 あぁ気持ちいいったらありゃしない。 『なによこの子取ってくれなかったくせにー』 ちょっと機嫌の悪いフリなんてしてみたり。 顔を背けてクッションに顔を埋める。 「調子乗んなよ」 『わっ!』 さぁどう出るか、典人の動きを確認すべく埋めた顔をちょっとあげようとした時、不意に典人に思いっきり抱きしめられた。 いつもは典人から抱きついてくるなんて滅多にないのに。 ちょっとは思うことはあった、ということなのかなコレは。 『ふふん。クッションに嫉妬?』 「うっせ」 『典人かーわいい』 クッションを私が抱きしめ私を典人が抱きしめる。 腕にこもっている力は強くなるけどその分私はクッションを抱きしめる。 典人には残念だけどクッションは離してあげない。 たまにはこうして私に構いなさいよね。 もふもふぎゅー (まぁただこの子が気持ちよすぎて離したくないだけなんだけどね) (はぁ?) (典人もハマればいいのに) ----------- 顔文字クッションはマジであります。← マジ気持ちいいですあのクッション。 ちなみに ![]() こんなの _ |