※腐的内容注意



























『アンタたちってホント萌えの宝庫よね…!』
「「「…は?」」」

『倉間は後回し!現段階では浜野と速水…どっちが攻めでどっちが受け?』
「…なんの話です?」
『あ、ネコとタチって言った方がいい?』
「ネコ?俺猫なら好きだぜー」
『ホント!?なら浜野が攻め…?いやでも…』
「待て待て待て浜野こいつの言ってるネコは意味が違う!」


2年生某教室の一角。
とある属性の人間は聞き耳を立てずに入られないような会話が繰り広げられている。
浜野はまったりと話に乗ろうとしたが倉間が身を乗り出して話を中断させた。
確かにこれは意味を知っていないと確実にあらぬ墓穴を掘らされる会話。
そしてそれが一部の人種のオカズにされているなどとは思いもしないことだろう。


「名前…お前よくそういう話本人に向かって言えるよな」
「ある意味賞賛に値しますよ」
『だってそこにアンタ達がいるから悪い。萌えるんだもん』
「逆ギレされる要素0だろオレら」
「んー?」


呆れた様子を見せる倉間と速水。状況を理解していない浜野。
現状に慣れるしか道はない。
既に呆れすらも超越した反応に名前は満足げに笑う。


『いいじゃん私がアンタらで何を考えようが』
「プライバシーっつんもんがあるんだよ」

「倉間ーっ」
「!南沢さん」
『!!』


ガラリと名指しで教室のドアを開けたのは南沢だった。
扉の先に立つそ姿を見て名前の頭の中のアンテナがビビッと立ち上がる。


「この前貸した電子辞書返せ」
「あぁ…スンマセン南沢さんちょい待っててください」

『倉間のお相手キター!で?南沢さん、お二人の結婚式はいつなんです?』
「はぁ?」
『あ、質問を間違えましたどっちがウエディングドレスを着てお姫様抱っこされる側ですか!』
「「「「ダメだこいつ」」」」
『酷い全員に突っ込まれた!?』


自分のロッカーに電子辞書を取りに行った倉間とドア付近で待つ南沢に目を輝かせて放った質問には蔑んだ視線が返ってきた。


『でもやっぱいいわ〜先輩後輩で一番萌えるのは倉南か南倉だわ!今度のアンソロの内容はこれで決定ね!ネタ提供ありがとうご馳走様!』


暗号にも近い言葉の羅列は、長く名前と付き合っていれば嫌でも分からざるを得なくなってくる。
あぁこうして人のプライバシーって侵害されていくんだなと倉間は辞書を探しながら頭の隅で考えた。


『あぁ素晴らしきかな腐女子ライフ!』

「…黙ってれば普通だってーのに」
「あれが今巷で有名な残念な美人ってヤツだろ」
「傍にいると改めて実感しますね」
「ちゅーかまぁいいんじゃね?本人楽しそうだし」
「…まーな」


借りた辞書を南沢に返している姿を息荒く見つめる名前に全員が思わず首を縦に振った。





欲望には忠実であれ!

(ちょっとそこで肩でも抱いてみてよ!)
(そんなサービス精神はねぇ)
(ゑー)

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