上のものが下のものを使うのは当然の摂理だ。
ライオンだってオスじゃなくメスが狩りをする。
ただふんぞり返っているだけのオスがメスの狩った獲物を貪り、メスはおこぼれを貰うだけ。
不公平ではあるがそれが自然。
力、権力のあるものが上に立つ。
言葉を知らない動物だってそんなこと知っている。
馬鹿な上司が優秀な部下を使うことも。
先輩が後輩を使うのも自然の摂理。
だからもちろん
『マサキー!ちょっとお菓子買ってきてー!!』
姉が弟を使うのも自然の摂理だよね!
「なんで面倒くさい」
『マサキ…あんたアタシに逆らっていいの…?』
「…チィッ」
可愛げのないこの男…狩屋マサキは私の弟です。
人前ではまるで借りてきた猫のように…まさに猫かぶり前回の弟は私のいいパシリである。
(だってマサキ猫かぶってることは私知ってるし弱み握ったも同然)
マサキがこんなひねくれっ子になってしまった理由は知っているし決して賞賛されるようなことが理由じゃないから人にバラすなんてことしないけど。
こうしてマサキはなんだかんだで私のパシリになっている。
『ポッ●ーでいいから!よろしく!』
「俺ト●ポ派なんだけど」
『えぇー…最後までチョコたっぷりよりもチョコが元から付いてる方がいい〜』
肌寒くなってこたつから出れなくなった私にまさきが問いかけた。
姉弟といってもこういった好みはてんでバラバラ。
どうやったら好みって一緒になるんだろうなんて思ってみたりもするけどまぁ無理だろうし考えるのも辞めた。
いそいそと上着を着てコンビニかスーパーか、どっちかはわからないけど行こうと上着を着ているマサキ。
なんとなくその背中は寂しそうに見えた。
昔は私の後ろをちょこちょこ付いてきていたから気付かなかったけれど。
こうして後ろから見ていると気付くこともあるんだなぁなんて呑気に思ってみたり。
『マサキマサキ』
「なんだよ姉貴」
『お菓子、一緒に買いに行こっか』
可愛い寂しがりな弟に。
私と同じ猫目なちょっと釣り上がった目が見開かれる。
そんな表情は変わってないんだね。
ちょっと安心して心惜しいが寒々とした外へ出かける為こたつを出る。
「……どういう風の吹き回しだよ」
『細かいことはいいじゃん。ほらマサキのポ●キー奢ってあげるから』
「…トッ●だっての」
『はいはい』
不貞腐れたような表情のマサキの手を引いて家を飛び出した。
一緒に戻ってくる家があって、一緒に戻ってくる家があるって幸せだよね。
だから時にはパシリじゃなくて弟として対等に扱ったげる。
弱肉強食
(あ、●ッキー期間限定出てる…!)
(俺の●ッポ忘れないでよね)
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