眼前に広がる青海原に反射する太陽の光。
キラキラと輝くその海の青はとても美しくて。

この美しさに海へ駆り立てられた者は何人いるだろうか。

ばしゃばしゃと海辺を歩いていると自分の足から広がる波紋に口元を綻ばせる。

水は透明なはずなのに、なぜこんなにも海は青いの?
きっと博識な人物に聞けばその理論を1から説明してくれることだろう。
でも、私が知りたいのはそんな事ではない気がした。

照りつける日航の日差しに思わず目が眩みそうになったけど、見上げた先にも広がる青にまた心を奪われる。
広大に広がる青には、きっと人を魅了する何かがあるんだと思う。

だから私はこの海が好きなんだろう。

白いワンピースを翻して、私は浜辺へと素足を下ろした。
海から出た後だったから、濡れた足に砂が少しこびりつく。
ちょっとジャリジャリして気持ち悪かったけど、それもまた海の醍醐味。

太陽の光を受けずとも、きっとこの海は月の光を受けて輝くんだろうと思うと、海はまたより一層美しく見える。

遠くから聞こえた、私の名前を呼ぶ声。
今いくよーと声を上げて私はみんなの元へ駆け出して行った。

砂浜に、私の歩いた跡が残る。
海の中に私がいた痕跡なんて残らないけれど、

私の中には青い海の記憶が残るから。