ハートの大家族


『きゃすー!ぺんぎんー!ふたりともちっちゃくなってー!』
「…ちっちゃく?」
「屈めってことだろ。ほらアリス」
「あ、なるほどな」


ちゅっ


「「……へ」」
『きょうはちゅーのひだって!べぽがいってた!』
「「(…ベポグッジョブ)」」


『あ、きゃぷてーん!ねぇちっちゃくなってー!』

「…船長にもすんのか」
「そんなことできるのはアリスだけだと思うがな」
「そらそーよ」



頬へのキスは親愛のキス
(みんな大好き!)






火拳さん


『…』

「おー!こりゃまたでっかい島だな!早く行きてー!」
「上陸まで待てねーのかよい」
「ずっと島ばっか見て落ちても知らねーぞー?」
「わーってるって!」


『…えいっ』
「、どーしたエル?エルから抱きついてくるなんて珍しいな」

『ねぇ知ってます?エースさん』
「?」


ちゅっ


『背中のキスって、確認って意味なんですよ』




背中へのキスは確認のキス
(貴方がこの海で、生きてる証)




煙さん


『スモーカーさーん!手袋!手袋取ってください!』

「あ?なんだ突然」
『いいからいいから!』
「……」

『あぁそう言いながらも黙って取ってくれるスモーカーさん素敵』

「用をさっさと済ませろ騒がしい」



『はい!では失礼します!』



ちゅ



「は?」

『今日はキスの日なんです!なのでスモーカーさんに合法的にキスができうわあああなんで拭くんですか!』
「うるせぇ」



手の甲へのキスは敬愛のキス
(尊敬も愛も貴方だけに)







外科医さん


『あの、ローさん…手、貸してもらえますか?』
「…手?なんでだ」

『わ、私もわからないんですけど…その、キャスケットさんに言われたんで…』
「……キャスが?まぁいい。で、何をする気だ」

『………えっと…ご…ごめんなさい!』


ちゅう


「……………」

『なんでか手首にキスしてこいって……ローさん?』
「…ったく…とんだ入れ知恵してくれたな」
『へ?へっ?』

「お前は知らなくていい」



手首へのキスは欲望のキス
(貴方を満たすのは私だけでいい)






不死鳥さん

『…マルコ、ちょっとツラ貸せ』

「なんでだよい」
『ツラっていうかそこでボーっと立ってりゃいいから』
「なら突っ立ってるよい」
『…やっぱ本読んだままでいい』

「どっちだ」
『読んでて』
「はいよ」

『……』
「……」


ちゅ


「…ッテ…!」
『ふ、ふんっ!!』

「…なんだよいアイツ」



首筋へのキスは執着のキス
(キスと言うには生易しい、執着)







赤髪さん

『さっきから何を執拗に触っている』

「んー?髪」

『見ればわかる。なぜ触っているかを聞いている』
「……綺麗だから?」
『私に聞くな』

「そう怒るなって」


ちゅっ


『…赤髪』

「なんだ?」
『その口付けの意味は、知ってか知らずか?』

「知ってるに決まってんだろ」



髪へのキスは思慕のキス
(思わず触れたくなるのは貴方だから)