※T&B 13話より


「あいつ俺のこど虎徹"って呼んだんだよ。」

おじさんがシュテルンビルトの街並みを見下ろし話しだす。
ボロボロの体を引きずって僕のために来てくれたのか…。
嬉しい気持ちを内心に隠していたら、何やら問題発言を聞いた気がする。

「ちょっとおじさん。もう一回言ってもらえます?」
「ん?なんだよ、バニーちゃん。珍しいな……耳悪くなったの?」
からかい混じりに笑ってコチラを見るおじさんについ頬が緩むが、此れからが重要なのだと引き締める。

「何でもいいですから!」
「なんだよ〜…だから、あいつ俺のこど虎徹"って呼んだんだって!!」

何なの、と訝しげに見てくるおじさんに多少なりともイライラした。
なんでこの人は!

「なんでジェイクに名前呼ばれてるんですか!僕だって呼んだことないのに!」
「はぁ?!」
「ずるいじゃないですか!羨ましいじゃないですか!」
「ちょっと何言ってんのバニーちゃん…」

若干引き気味のおじさんはきっと気のせいだ。
ただ悔しかった。
ただでさえ、ロックバイソンに先を越されているのに。

「僕だって名前で呼びたい!!!」



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