04

どうにかあの男達に見つかることなく家に着いた悠は慌ててパソコンを立ち上げた
立ち上がったパソコンのメール画面に今の状況を文面に打ち付ける
高杉のことは少々悩んだが高杉があの事件に関わっていることは確実
きっちりと最後のことまで打ち記した悠は送信ボタンを迷わず打った。

時計を確認すれば時間はもう夜中の3時
だが時間帯的には調度良いと携帯で電話をかける

ピッ、という音のあとにもしもし、との聞き慣れた低い声の主に悠だ、と言えば分かってるよ、と感情のない言葉が返ってきた。

「池袋での殺人事件、"春雨"っつーマフィアが関わってる可能性が出てきた。
悪いが調べてくんねぇーか?」
俺が掴んだものはあとでパソコンに飛ばす、と言えば分かったとのまた感情のないような返事

『それより君、時間大丈夫なのかい?』
「ちょっとやべぇな…明日…いや、今日も学校だ」
『はあ…とりあえず分かったから早く寝な』
「おう、そうする…あと頼んだぞ」
『うん。おやすみ、悠』
「…おやすみ、恭弥」

携帯を閉じ、自分の掴んだ情報を書き記す
高杉を信じていいかは微妙だが、アイツがそんな嘘をわざわざつくとは考えられない

だが今は殺人事件のほうを洗うしかない。
高杉の件は恭弥に教えるのもなぜか気が引けたし、明日からでも自分で洗い出せるかもしれない。
高杉のほうはまるっきり調べてなかったのだ
自分で調べていないのにボンゴレに頼るのは悠のプライドが許さなかった。


そう言えば、と思う
今日は誰が狙われたのだろうか、と
年齢層もバラバラだっため、無差別だということは明らかだったのだが、自分が少し加わったことで多少の興味が沸く
殺された人には非常に申し訳ないのだが、好奇心が沸いてくるのだ。
しかし、この時間帯に探すのも危険だし、自分はマフィアであるため警察とは距離を起きたい

早く死体が発見されるよう祈りながらもベッドの上で、浅い眠りに落ちた。


殺された人間が、来良学園の生徒と悠が知るまで、残り5時間。


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