04

静かにカチャリとドアが閉まる音がし、悠は慌てて前を見れば、そこには高杉がいた。
電気はついておらず、暗闇の中だが間違いなかった。

「たかすっ「静かにしろ」
高杉に口を抑えられたとき、路地のほうで男達が走っている音が聞こえた
そっと放された高杉の手
悠は睨みつけるように高杉を見た

放り込まれたせいで壁にぶつかってしゃがみこんでいる状態だったため高杉との僅かだった背の高さが、増したように感じる

「せっかく助けてやったのにそんな面か」

ククッ、と喉の奥で笑いながら高杉は口元を緩めた

「助けてくれたことには感謝する…が、なぜお前がこんなところにいる」
「ここが俺の家だからだ」
「…ふーん」

興味無さげに相槌をうつ悠に高杉は面白がるように笑うだけだ

「お前ら、あの事件追っかけてんだろ?」

悠の呼吸が、ぴたりと止まる

「お前"ら"?」
「確か神羅砂邪だったなァ、あの女」
「どこまで知ってやがる」
「お前らがボンゴレの人間だとかか」
「殺されたいのか」
「ククッ…物騒だなァ」

高杉はそう言いながらも悠を見下ろす

「お前が知りてぇこと、教えてやってもいいぜ?」
「すぐに分かるからそんな情報いらねぇー」
「そんなこというな」
「ハッ…信用できねぇよ」
そう言って悠は立ち上がる
その場から去ろうとした悠の手を、高杉は掴んだ。

「…アイツらは春雨だ
上は神威という男でなァ 部下に目の敵にされてる
おかしいだろ?」
「…なにがだ」
「目の敵にしてるやつの指示を聞くと思うかァ?
俺だったら聞かねェなァ」
「…情報提供、感謝する」

そう言いながら悠は高杉の手を払い、家を離れる
悠の胸に残るのは、高杉晋助という男の正体が分からずモヤモヤとした感情だけだ。


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