「フィフス…セクター…?」


そうだ、と言った南沢先輩。新しく入った私を含めた一年は先輩達の前で立ち尽くして声もなく驚いた。
それもそうだろうね、期待に胸を膨らませて入った部活で楽しくサッカーができると思っていたのに、勝敗が管理され、思うようにできないなんてショックに決まってる。
マネジャー希望の私でさえそうなのだから、選手希望の皆は相当でしょうね。


「それでも、たまに勝敗指示の無い、自由なサッカーが出来る」


それを楽しみに練習に励もう。そんなようなことを三国先輩が言っていた気がした。
あぁ、そうか。先輩達はみんな、いくら辛くても諦めないで、その試合を楽しみに今まで続けてきて、これからもそうするんだろうな…。
皆が練習にうつっていく中、ずっと同じ場所に立ったままそんなことを考えていた。



…このメンバーでサッカー出来るのはいつまでかな。


何故か、皆がやめるのを前提みたいな考えが私の頭の中に過ぎった。あぁやだ、縁起でもない。


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