『どうしたの?』
倉間が妙に複雑な顔をしてたから、心配して聞いてあげたのに、なんでもねぇとか素っ気ない。
浜野は浜野で、少し3人で話たらじゃあ俺戻るねー。ってスタスタと教室に行ってしまった。なんなんだ。
まあ、居なくなったのなら、それで良いってことにして、私は倉間に聞きたかったことを聞くことにした。
『ねぇ倉間、もしかして、浜野と話てた内容聞いてたりした…?』
この位置にいたなら聞こえてたんじゃないかな…。って不安になる。だって、なんだか凄く恥ずかしい気がする。違うよね、そう思おうとしてるのに、倉間ったら聞いてた。だなんて酷いよ。
『まじで…?』
「あぁ、」
『…倉間、盗み聞きとか、趣味悪いっ…!!』
「しょうがねーだろっ、出て行くタイミング見失ってたんだから!…お前が語り始めるのがいけねーんだろ?ていうか、浜野と同じこと言うなっ。」
浜野も同じこと言ってたんだ…。じゃなくて、人のせいにしないで欲しいよね!
『あ、あれは、浜野が変なこと聞いてきたから…!私だって少し恥ずかしくなったんだから!』
「…まぁ、聞いてたこっちまで恥ずかしくなるくらいだしな」
もう、なんとなく目合わせられないじゃない。なんか言ったこと思い出しちゃうし…。
「………でも、一応、少しは嬉しかったけどよ…。」
倉間が、デレ、た…?なんとなく、嬉しい。恥ずかしい思いしたのも一瞬でもどこかに飛んで行った。
だからか、思わず倉間可愛い!って叫んでおもいっきり抱き着こうとしたら、やめろだって。少し残念。
うずうずしているのを頑張って抑えてると、俺達も戻ろーぜ、って言われて、あれ、倉間って何しに来たの?私はそのまま浮かんだ疑問を倉間にぶつけた。
「…浜野止めにきただけだっつーの」
『やっぱそうかー、つまんないの。』
「は…?」
『例えばさぁ、私に会いに、とかだったら嬉しかったのに、って』
「はぁ!?おま…、何言ってんだよ!!」
『ふふっ、じょーだんだよ、冗談。』
クスクスと笑うと、顔が赤くなってるまま、ふざけんなっとか言われたけど、全然恐くないね。まぁ、さっき言ったのは、本当といえば本当なんだけどさぁ。
「っ…、ほら、さっさと行くぞ!」
『はーい。』
そこから教室までの道のりを歩いていると、チャイムが鳴りはじめたから、必然的にダッシュで行くことになった。倉間の方が教室近いなんて狡いよ!!