はぁ…と、ため息を吐き出すと、前の席に座ってる浜野が「なに倉間、辛気臭ぁ」とか言いだすから、
うるせぇと思って睨みつけながら浜野の椅子を蹴る。
「なになに、悩み事?」
「……まぁな。」
「ちゅーか、またなまえ関連のことっしょ」
にやけながら言うもんだから、若干腹立つ。決して図星だからとかそんなんじゃない。
「で、今度はどんな内容?」
「………やっぱなんでもねぇ…」
「此処まで来てそれはないって、言っちゃた方が楽になるかもよ!」
あーもう、この際、浜野のちょー面白そう、って顔は気にしない方が良いのか?
「…背のことはもうしょうがないってことでー、諦めるしかないんじゃね?」
それは、もう俺には成長期が来ないって言いてぇのか。背が人並みに高いやつにはやっぱこんな悩み分かんねーよな…。
「やっぱり、浜野に話した俺が馬鹿だった。」
「そんなこと言うなってぇ。別に、なまえは背の差とか気にしないっしょ?」
そりゃ、寧ろ気に入られてる感があるから平気なんだろうけど…。
「……そもそも、なんであいつの方がデカいんだよ…。」
呟いただけのはずが、普通に浜野にも聞こえてたらしく、
「倉間より小さい女子もあんまいないって」とか笑いながら言ってきたから、本日2度目の蹴りをいれる。
すると突然、俺、良いこと思いついちゃった。とか立ち上がってから言いだした。
「……は…?」
「なまえに、身長差のことどう思うか聞いて見ればいいんじゃん!」
ちょっと待てっ、と言う暇もなく、浜野がなまえを探しに廊下へ向かって行ったため、これはもう追いかけるしか無いらしい。
「くそっ…、待て浜野!!」