『えいっ!』

冬のある日、冷たくなった両手を真一の首にあててみた。

「…!ひゃぁっ」

あったかいなぁとか思ってたけど、真一の反応が凄い可愛い!!声も高くなって、普通こんな反応でる?少なくとも私は出ない。

『真一、可愛い!!』

だから、くっつけたまま離そうとしなかったら、真一は冷たい冷たい連呼して、やめろって言ってきた。

『いーやー』

こーんな可愛い反応してきて、しかも暖かいのにやめる訳には行かないじゃない?

「なまえ、やめろってっ、冷たい!!せめて首以外にしろよっ」

『えー…、じゃあ、首と鎖骨の間に挟んでくれる?』

「なんでそんな変なとこなんだよ!普通に手とかじゃ駄目!?」

駄目じゃないけど…つまんないじゃない。冬は半田の反応が楽しみでいるようなものなのに。

『まぁ、いいけど。じゃ、手出して?』

そう言うと、渋々手を出してきた半田。私は、その手を握ってみたけど、正直暖かくない…、ていうか、

『私より冷たいじゃない…!』

しょうがないだろ?とか、真一は冷え症か何かなの?君、ポケットに手入れてたよね。

『うー、もう離してよ。私の手までまた冷える!』

冷たいから離そうとしてるのに、真一が手を離してくれないから折角少し暖まったと思ったのに、逆戻りじゃん!

「俺だって寒いし。さっきまでの仕返し」

なんとなく、手を繋いでいると考えるとなんだか恥ずかしくなってきた。軽く顔が赤くなっていそうで嫌だな。
でも、離してっていってもやだって返ってくるのだから、正にさっきまでの立場が完全に逆転だ。





するとそこに、ちょうどよくマックスが通りかかった。

「…なに、道の真ん中でいちゃついてんの、二人とも。ていうかさ、そういうのが視界に入ると凄く、消えろって言いたくなるよねっ」

断じていちゃついてない。うん、多分、決して。てか、助けてって言おうとしたのに酷いよ。遠回しに私達に消えろと?あんまりだっ。

そのまま、マックスは行ってしまった。酷い、言い逃げじゃんか。
そして、私達も手を離して、なんにもなかったように帰っていくことにした。だって、なんだか妙に気まずかったんだもの。

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