Jake bought a FAKE OVER KNEE.

 俺はこの前、○○に電話をした。「買い物に行くから、19日を空けとけ!」と。今日、19日はアイツの誕生日なんだよ。でもよ、おめぇの喜ぶ物が、女の欲しがる物が、俺にはわかんねぇ。だから、買い物でアイツが気に入った物を買って、それとなく贈るのが一番いいと思った。もちろん、「テメェの誕生日だから」なんてことは言わねぇぜ。口が裂けてもな。

 街に新しくできたショッピングモールなら、アイツも退屈はしねぇだろ。女ってのは買い物が好きで時間が掛かるって、どこでも言われてるからな。

 歩いて行くってのも、「たまにはテメェと街中を歩くのも・・・」なんて、死んでも言わねぇぜ。




 待ち合わせの公園に少し早く着いたジェイクは、丸太状の柵に寄り掛かっていた。

「ジェイク!!」

 聞きなれた○○の声に、ジェイクはゆっくりと顔を上げる。

 げっ・・・!

 普通の人よりも目のよいジェイクは、手を振りながら近づいて来る○○の脚が目に入ると、眉間に皺を寄せた。

 こんなさみー時期に、何で生足なんだよ!しかも、みじけぇスカート・・・。どうしてもスカート履きてぇなら、タイツを履け!!!・・・いや!スカートじゃなくて、ズボンにしろ!ズボンに!!

 絶対に体を壊すだろうとジェイクは思った。そして、ふと自分の母親を思い出した。体を壊す、壊さない以前に、病弱だった自分の母・・・。

 おい、まさか・・・!スカートの中に、ブルマもスパッツも履いてねぇとか言わねぇよな!?それくらいは履いてるよな・・・!?女ってのは、脚とか腰とか冷やしちゃいけねぇって言うじゃねぇか!とにかく、さみー時にそんな恰好して、冷やすな!!

 ○○に何と言って生足のニーハイソックスを止めさせようかと思案を巡らし始めたジェイク。ただ普通に「俺がタイツ買ってやるから履きなおせよ」とか「他のヤツに脚を見せるな」などと言えばいいと思うのだが・・・。しかし、そこは素直じゃないジェイク。自分の気持ちを素直に口にして、況して人の体の心配をする術などは持ち合わせていない。それに第一、「他のヤツに脚を見せるな」と言うよりも、「テメェの脚なんざ、俺しか見る男は居ねぇよ」というのがジェイクの考え。「お前の脚は俺だけに見せてくれ」などと気の利いた言葉など言える訳がないのだ。

「ジ〜ェイク!」

 ジェイクが心の中で頭を抱えているうちに、すぐ傍に来ていた○○。寒いのなど全く気にていないかのように嬉しそうにジェイクを見上げている。

 仕方ねぇ、とりあえず・・・。

「行くか」

 あっちに着けば、タイツだろうがズボンだろうが、何だってあるだろう。何ったって、最新のショッピングモールさ。

 ジェイクは腕組みをしながら仏頂面で歩き始めた。もちろん、手は繋がない。


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