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「よう!!○○」
日曜の昼下がり。暖かな日差しの中花屋へやって来た○○。店先に並べられた花を見ていると、背後から声をかけられた。爽やかで軽快な声だ。
「あっ!こんにちは!!ローンウルフさんっ!!」
声の方へ目を向ければ、そこにはU.S.S.の兵士ローンウルフが爽やかな頬笑みを湛えていた。
「ローンウルフさんもお花を買いに?」
「いや、俺は―」
ローンウルフが言いかけたところで、また別の自分を呼ぶ声がすぐ後ろの方から聞こえてきた。
「やぁ、○○!」
「ん?」
つい呼ばれた方に顔を向ければ、穏やかな眼差しをしながらも豪快に駆け寄ってくるエージェントが見えた。
「エージェントさん!!」
○○の目の前へとやって来たエージェント、何かを言いたそうに開きかけた口は、今○○の後ろに居る人物、つまり、エージェントから見て○○を除けは自分の向かい合わせになる人物によって遮られた。
「おい」
先程の○○に向けられたような爽やかさはどこへやら。しかし、「怒り」とは異なる声色だった。
「え?」
きょとんとした表情で身を乗り出すようにしてローンウルフに顔向けたエージェント。○○の後ろに居たローンウルフに気付かなかったらしい。
「あぁ、そうだ!お二人とも、紹介しますね―」
言いかけて○○は感じた。
この二人、顔は笑ってるけど、目が全然笑ってない!!
「えぇと・・・あれ?雨だ」
今日は晴れの予報だったはず。急に降りだした雨に○○は空を見上げる。
「濡れますから・・・止むまでどこか入りますか?」
遠くの空は暗い雲が広がり始めていた。
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