Jake bought a FAKE OVER KNEE.

 今日、19日はとっても嬉しいことがある。それは、新しくできたショッピングモールでジェイクとお買い物。ついこの前、ジェイクから電話があり、「買い物に行くから19日、空けとけ!」と言われていたのだ。

 ねぇ、ジェイク、今日って私の誕生日なんだよ?それを知ってて誘ってくれたの?

「この服、変じゃないかな?」

 自分の部屋の中で、姿見の中の自分と睨めっこをする○○。今、○○が着ている服は、親友が選んでくれた服。つい先日、親友と遊んだ時に、今日のジェイクとの買い物の話をしたところ、「じゃあ、とびっきりのオシャレしなきゃね」となったのだ。

 そんな親友が言うデート服のポイントは、ミニスカートと黒いニーハイソックス。「こんな寒い季節にミニスカートとニーハイなんて!タイツにしようよ!」と抗議したものの、口車に乗せられ、つい買ってしまった。親友曰く、「寒空の中の生足ニーハイがいいんじゃない!特に黒!男はそれでイチコロなのよ!」だそうだ。まあ、寒いのは外だけで、ショッピングモールは温かいから、平気と言えば平気か。

 姿見に映った自分の脚を見つめる○○。男の人をイチコロにできるようには到底見えない自分の脚。それと言うのも、自分の脚は筋肉質なのだ。スカートから見える脚にチラリズムなんて期待しない方がいいと○○は苦笑した。それでも、「○○、頑張ってね!」と言ってニーハイソックスを手渡した親友を思い出す。

 ありがとう・・・!頑張るね!

 ○○は静かにニーハイソックスを手に取ると、脚を通した。別にチラリズムを頑張るという訳ではない。ただ純粋に、この買い物がステキな時間であるようにと。

 「デート中に、ニーハイが下がってきたら興醒めだから」との親友の勧めで買ったニーハイは、生地もゴム部分もしっかりしていた。若干、ゴムの締め付け感があるような気がするが、大したことはないだろう。歩いているうちに伸びるさ。




 街に新しくできたショッピングモールで買い物をする約束をした○○とジェイク。待ち合わせ場所は、二人の家からそう遠くない公園。いつもバイクのジェイクには珍しく「歩いて」行こうとのことだった。○○はジェイクと出掛けることはあっても、ゆっくりと街中を歩くことはあまりなかった。そのため、「歩いて行く」というのが、新鮮で、なんだか嬉しかった。今日が自分の誕生日というのも、やっぱり期待してしまう。

 公園までのそう遠くない道のりも、早くジェイクに会いたくて、だんだんと小走りになってしまう。ヒールのあるパンプスの音を響かせて行くと、丸太状の公園の柵に寄り掛かるジェイクが目に入った。

「ジェイク!!」

 ○○はにっこりと笑い手を振った。


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