Notice,I like you!
「ん〜!!美味しい〜!!!」
スウィート★ルーシーのすぐ近くにある公園のベンチで、2人は同時に声を上げる。
「あっ、フィン君、そのクッキー・・・!」
○○がフィンのパフェに乗っているクッキーを見て“もしかして?”というような表情を作る。
「うん!イニシャル型クッキー!せっかく○○と一緒に来たんだから、○○と僕のイニシャルにしてもらっちゃった〜っ!!!」
「わぁ〜!!!」
こんな、カップルでもするかしないかわからないようなことをしている男、フィン。これはこの男が天然であるが故なのか・・・。それを見て喜んでいる○○もまた然りである。こんなことをしても“甘い”雰囲気ではなく“かわいい”雰囲気を作り出すこの二人。もしかしたら似た者同士なのか・・・けっこうお似合いなのかもしれない。
「○○、食べてみる?」
「えっ!!いいのっ!?」
「どうぞ」
フィンが嬉しそうに差し出すクレープに、○○は嬉しそうにパクっとした。
「ん〜んん〜!!!こっちも美味しい!!」
○○は満面の笑みを浮かべる。
これまた、カップルのようなことをしている2人。互いに気付いてはいないが無意識のうちの“好き”故か。
「あっ!!○○!アイス!アイス!」
突然に大きく開いたフィンの目。○○は頭に疑問符を浮かべながらも、そのフィンの目線を追う。
「あぁーっ!!」
―ベシャッ!!
○○の3つ重なったアイスクリームの一番上、ストロベリーアイスが見事に滑り落ちた。
「―フィン君!これっ!」
“落ちたアイスがハート型してる!!”
“え?”
「ああっ!フィン君!クッキーがっ・・・!」
フィンが落ちたアイスクリームを見ようとしたために、クレープの上でバランスを崩した2つのイニシャルクッキー。
―ポトッ!
○○とフィンの2つのイニシャル型クッキーが、先程落ちてハート型を作った薄ピンクのアイスクリームの中央に、かわいらしく並んだ。
「・・・か、かわいいっ!!」
2人共、携帯のカメラを取り出した。
2人共気付かぬプチデートから何日か経ったある日。○○とフィンは互いの携帯の待ち受け画像を見て驚いていた。
2人の待ち受け画像は、ハート型になった薄ピンクのアイスクリームの中央に、互いのイニシャルクッキーが並んでいる。
『いずれ気が付くだろう。“好き”ということに』・・・もう、気付いただろう、互いに“好き”だということに。
私・・・フィン君が好きなんだね・・・!
僕・・・○○のことが・・・!!
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