Jake bought a FAKE OVER KNEE.

「でも、さっき、似合わないって言ってたでしょ?」

 先程の○○の不機嫌な顔は一転して、不安げだった。

「あれは・・・あんな恰好した脚は、さみー時には似合わねぇってことだよ・・・その・・・悪かったな・・・・・・あっ!」

 初めてジェイクの素直な言葉が出たと思ったら、急にまた眉間に皺を寄せたジェイク。その視線を辿ると、またもや○○の脚。

「オメェ・・・!またそんな寒そうな脚しやがって・・・!!」

 そう、先程ソックスを脱いだために、全てが生足の○○。“俺が履かせてやる”と言わんばかりにジェイクが近づいて来た。

「わかった!履くから!ちょっと待って!!」

 ジェイクを部屋に入れ、こちらを見ないように座ってもらう。スパッツを脱いでタイツを履くところなど、見られていてはたまらない。恥ずかしすぎる。

「ねぇ、ジェイク、何で今日買い物に行こうなんて言ったの?」

 ジェイクの買ったフェイク・オーバー・ニーに脚を通し、上に上げようとした手を、○○はふと止めた。

「あっ!!!」

 今の今まで当初の目的を忘れていたジェイク。

「・・・忘れてた!」

 ジェイクはそう言いながら、○○を見た。

「ちょっと!見ないでよ!!」

 ○○が投げたクッションが、ジェイクの顔に“バフッ”と音をたてて当たった。

「テメェ!」

 ジェイクが立ち上がり○○の方へ近づけば、○○は履きかけのタイツを上に上げながら必死で離れようとする。ジェイクが○○の肩に手を伸ばした時、○○が転び、それにつられてジェイクも転んでしまった。

 もし、今ここに誰か来ようものなら、絶対に誤解されるであろう恰好を二人はしている。“ジェイクが○○を押し倒している”と。

「ねぇ、今日は何で・・・?」

 ○○は目の前にあるジェイクの顔を見つめた。

「ホントは、言うつもりはなかったんだけどな・・・」



「おめでとうな。誕生日」 


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