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数分後・・・。
「ジェイ君・・・恰好いいっ!!」
ジェイクはただ普通にカボチャ割るだけではなかった。ジャンプしてから勢いよく木刀を振り下ろしたり、木刀を下向きにして垂直にドスドスとしたりした。
「すごいすごい〜っ!!」
○○は、ジェイクと足元で粉々になったカボチャを交互に見て興奮の声を上げる。
ジェイクは得意げに、そして、少し格好つけてゆっくりと目隠しを外した。しかし・・・。
「あ、あれ・・・?」
「・・・ジェイ君、やりすぎちゃったね」
粉々になったカボチャ・・・それはもう、見る影も無い程に粉々で、「ぐっちゃぐちゃ」という表現の方が正しかった。
「このカボチャ・・・どうしようか・・・」
二人してしゃがみ、ぐっちゃぐちゃのカボチャを見やる。生で食べても美味しくないので、スイカのようにかぶりつく訳にはいかない。早くどうにかしないと、アリの大群がやってきそうだった。
「やっぱり茹でてからにした方がよかったか?」
ぐっちゃぐちゃのカボチャをひょいっと摘み、マジメな顔をするジェイク。「あぁ、それとも煮てからの方がよかったか?」などと首を捻っている。
暫く二人して悩んでいたが、突如、何か閃いたように○○が大声を上げた。
「そうだ!!ジェイくんっ!!!パンプキンスープにしようよ!!カボチャが粉々だから茹でやすいし!!裏漉しして牛乳入れて、味付けちょっとするだけだし!!
「ジェイ君、パンプキンスープ美味しい??」
「ん、うまい!!」
先程撮ったビデオを見ながらソファーでスープを飲む二人。“うまい”とにっこりするジェイクに、○○も隣で微笑んだ。
「なぁ、○○、今度は何しようか!」
部屋全体に差し込むオレンジ色の夕日がまるでカボチャのようで、二人の座る薄茶色のソファーが、『にっ』と笑うハロウィンカボチャの口のようだった。
そんなカボチャの口に負けないくらい、二人は互いににっこりと笑った。
「ジェイ君と一緒なら、何でもいいっ!!」
「俺も!!○○となら何だっておもしれえ!!」
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