カボチャ畑のベルトウェイ
「全く・・・ホント、○○にはびっくりさせられっぱなしだな・・・」
ベルトウェイは静かに○○を抱き締めた。
「えぇ・・・・・・?」
涙を流したままの○○。そんな彼女を見て、くすりとまたベルトウェイは笑う。
「俺の噂を知ってか知らずか・・・畑には入ってくるわ・・・こうやってかわいく泣いちゃってくれるわ・・・」
ベルトウェイは○○の頬を両手で包んだ。
○○の目から溢れる涙が、彼の手を伝った。
「俺の噂・・・街のヤツらから『不気味』って言われてるの、知ってるだろう?○○は俺なんかと居るより、他のヤツと居る方がふさわしいんだ」
「そんなっ―噂なんて私、気にして―」
「わかってる!“ふさわしい”、そう思ったんだ」
ベルトウェイは“そう思った”に力を込めて言った。
「○○は俺によくしてくれた。だから・・・噂のせいで○○まで悪く思われるのが耐えられなかったんだ。でも・・・」
ベルトウェイはにっこりと笑った。
「好きなヤツが離れていくのはもっと耐えられねぇな」
先程と変わらず、目の高さは合わせたまま。
「なぁ、○○・・・お前が大好きなんだ。パイを食った後も、一緒に居てくれないか?」
「うぅ〜」
○○は更に大粒の涙を溢れさせた。
「おっ、おい!そ、そんなに泣かないでくれ!」
声を上げて泣き出しそうな○○に、いよいよ慌てるベルトウェイ。
「笑顔を見せてくれ。な?」
涙を服の袖でごしごしと拭う○○。
「あぁ!こら!そんなに擦ると目が赤くなっちゃうぞ」
「・・・はい!・・・」
“笑顔を見せてくれ”、その言葉への遅れた返事。○○は嬉しそうに笑った。
ベルトウェイに抱き着いた○○。背伸びをしたために少しよろめき、お腹部分が静か触れた。お揃いのエプロンのハロウィンカボチャが嬉しそうにキスをしていた。
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