ボチャ畑のベルトウェイ

「パイを食ったら・・・友達とパーティーに行ってきな・・・」

「ベルトウェイさん・・・・・・」

 ○○の頭を軽くぽんぽんとするベルトウェイ。その微笑みはいつもと同じ優しいものだった。

「私は・・・」

 “パーティーに行ってきな”この言葉はこれでバイバイを指しているのか・・・。

「私は・・・」

 視界の中でベルトウェイが滲み始めた○○。

「ベルトウェイさんと・・・離れたくない・・・・・・」

 ○○は、彼の胸元の服を掴んだ。

 今まで彼と一緒に過ごした時間が、○○の中で溢れだした。離れたくないと、心を叩く。

 ベルトウェイと大声で笑い合ったこと。悩みや愚痴を聞いてもらったこと。畑仕事をしたこと。あやとりをしたこと。折り紙をしたこと。そして、お揃いのエプロンをして、今日のように一緒にキッチンに居ること。

「や、だよぉっ・・・」

 ベルトウェイの胸にうずまった○○の目から大粒の涙が零れた。


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