ジェイクはリンゴ飴を作っていた。しかし、上手く作れなかった。いや、それどころか、作り方を知らなかった。

 全ては目分量、全ては己の勘、全ては「あ〜、たぶん、こんなだな」というフィーリング。

 まず初めに、両手鍋の中に砂糖一袋を(ワイルドに)一気に入れる。それを超高火力でドロドロに溶けるまで熱する。

 次に、砂糖が溶けるまでにリンゴの用意をする。リンゴのど真ん中に、勢いよく割り箸をぶっ刺す。(敵の腹を刀で貫くように、一息にドスッと)

 その次に、砂糖を割り箸の付いたリンゴで(いい感じに)掻き混ぜる。(気持ちも一緒に混ぜ込むのがポイント!)溶け具合を見つつ、リンゴが全て埋まるように砂糖を足していく。

 最後に、固まるまで○○の喜ぶ顔を想像しながらニヤニヤして待つ。

 そして、鍋ごと○○の家へ持っていく。(道行く人々の視線を独り占め)

 しかし運悪く、(なぜか知らないが)リンゴ飴の屋台に出くわしてしまい、本家のリンゴ飴を目にしてショックを受ける。

 ジェイクは思い切って両手鍋を○○の前に突き出した訳だが、屋台のリンゴ飴を思い出して悲しくなったのだった。


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