ジェイクの大好きなガールフレンド、○○。その○○の家へと続く道を、両手鍋を持って小走りに進むジェイクの姿がある。

 ジェイクは○○の家のドアをノックし、彼女が顔を出すのをドキドキしながら待っている。

「ジェイク!?来てくれたの!?」

 ドアを開けて嬉しそうな表情をした○○。

 ジェイクは頬を赤らめながら両手鍋をドーンと突き出した。

「○○!お、おぉぉ俺の気持ちだ!受け取ってくれ!!!」

 柄にもなく緊張しているジェイク。

 ○○はジェイクの手の上から、そっと両手鍋に触れた。

「どうもありがとう!ジェイク!!さ、上がって!」

 にこにことジェイクに笑いかける○○。しかし今のジェイクには、その笑顔が痛かった。

「・・・っ、すまねぇ!○○っ!」

 リビングへと続く廊下、その中程でジェイクは止まり、拳を固くする。

「作り方、知らなくてっ!・・・こんなんに・・・なっちまった・・・」

 珍しく悲しそうな顔をするジェイク。大好きなガールフレンドへ、ホワイトデーの飴を頑張って作ったのだが・・・。上手くできなかったのだ。

「ジェイク?どうしたの・・・?」

 振り向いた○○が駆け寄ってくる。自分の顔を覗き込むように見つめてくる○○の瞳から、ジェイクは逃げるように顔を逸らした。


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