印象に残るホワイトデーをあんたに!
メロンソーダを2つ持ったピアーズは席に戻って来ると、狙いを定めるような目をして鉄板をギロリと見る。
よし!鉄板の温度は十分だな!
「いいか、○○?よ〜く見てろよ!今から俺が印象に残るホワイトデーとして、飴を作る!」
「ピアーズ・・・何する気!?ちょっと!!」
ピアーズは○○の言葉などお構いなしに、勢いよく鉄板に向かってメロンソーダのグラスを逆さまにした。
鉄板の高温で瞬時にメロンソーダの水分がとんでいく。
これがニヴァンス流ホワイトデーだぜ!
ピアーズは水分が減った鉄板のメロンソーダの上に、残りのメロンソーダを足してヘラへ練っていく。すると、糖分の粘つきだけが残り水飴のようになっていく。
ピアーズがクリスから貰ったバナナオーレを見た時に「見つけた」と言ったのは、ジュースを熱した時に糖分で水飴状になるこのことを指していたのだ。
「どうだ!」
満足げで嬉しそうな顔をしてピアーズは○○を見た。
「いや・・・何?これ・・・」
ピアーズが何をしているか全く理解していない○○。水飴状のメロンソーダと、それをヘラで突くピアーズを交互に見つめた。
「何って・・・ホワイトデーのお返しの飴・・・ほら、水飴!」
ピアーズはヘラを上に持ち上げて、糸を引く水飴メロンソーダを○○に見せる。
「え!?・・・もしかして、これをしたいがために、お好み焼き屋さんにしたの?」
「ん?あぁ、そうだけど?・・・まぁ、飯も食えるしいいと思って」
ピアーズはヘラに付いた水飴をフゥフゥと冷ましてから、そっと舐める。
ん!美味い!!
自分を見つめる○○の視線に気付き、ピアーズは首を傾げる。
「○○、美味いから食べようぜ!?」
印象に残るホワイトデーをあんたに贈るぜ!
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