なたからのチョコを他の人のチョコと一緒にする訳ないでしょう?

「あっ、ごめんね。今のは気にしないで!ほら、早く帰ろう?」

「気にしないでって言われても・・・僕聞いちゃったし・・・気になるよ?」

 気にするなと言う方がムリだ。だって相手は好きな人なのだから。

「○○?」

 フィンは○○の顔を見つめた。

 困ったような○○の顔、その目は今にも泣き出しそうだった。

「あ・・・え〜っと・・・その、フィン君にチョコ渡したくて来たんだけど・・・でも、その山盛りのチョコ見たら渡す勇気なくなっちゃって」

 ○○はフィンから逃げるように一歩下がり、俯いた。

「私がチョコ渡しても・・・他の人のチョコみたいに、その山の中に埋まっちゃうんだろうなって・・・」

「・・・そんな訳ないでしょう?」

 フィンはゆっくりと近づき、○○を抱き締めた。

「僕の好きな人は○○だもん。・・・僕の好きな人が○○だって噂になってない?随分前にマルコさんにいろんな所でばらされちゃったんだけど・・・」

「ううん。そんな噂知らないよ」

「そっか。じゃあ今ここで言うね」

 フィンは抱き締める手を緩めて○○の目を見つめた。

「僕はずっと前から○○が好き」

 だから、○○からのチョコを他の人のチョコと一緒にする訳ないでしょう?・・・チョコ、貰っていい?

「私もずっと・・・フィン君が・・・・・・好き・・・」




 フィンと○○は嬉しそうに手を繋いで帰路に着いた。他の人から貰ったチョコレートは全て、マルコの机の上に山にして。


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