俺の目の前で美味そうにチョコ食うのもいいんだけどさ、俺、もうそろそろ限界なんだけど・・・。

「○○、俺におめぇのチョコはねぇのかよ・・・」

「あるよ〜!ない訳ないでしょ」

 そうか・・・ねぇのかよ・・・・・・え!?あるの?あるのかよ!?本当か!?

「ほ、本当かっ!?」

「うん!」

 そう言って○○が出した箱の中には、何やら球体のチョコ。そのてっぺんに一本棒と、何だろうな、何かが付いてるな。

「リンゴの形にしたの!」

 ○○はそのチョコを箱から出して俺に見せてくれた。

 あ!ホントだ!このチョコ、リンゴの形してんな。あぁこれ葉っぱか!かわいく付いちゃって・・・。

「ジェイク、リンゴ好きでしょ?でも、バレンタインデーにリンゴもどうかなぁと思って・・・でも、やっぱりリンゴを食べた時のジェイクの笑顔が見たいし・・・リンゴ型チョコにしちゃった!」

 おい!おめぇ!“リンゴを食べた時のジェイクの笑顔が大好きだから”って小さい声で言ったけどはっきり聞こえたぞ!・・・て、照れるじゃねぇか・・・!

 全くもぅ、おめぇってヤツは・・・。どうしてこうもかわいいこと言ってくれんのかねぇ。焦らしてるなんて考えて悪かったな。どうしても欲しかったんだよ、おめぇのチョコがよ。焦らすなんてことしない、素直なヤツだって本当はわかってんのにな。

「食っていいか?」

 きっと俺、顔凄くニヤけてんだろうな。

「うん!食べて!」

 おめぇのその笑顔、凄く好きなんだよ。言わなくてもおめぇはわかってんだろうけどな。俺がお前を大好きだってこと。でもよ・・・。

 俺はおめぇのリンゴ型のチョコを一口・・・。

 俺はおめぇのことが・・・。

好きさ!


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