これはおめぇの作戦・・・焦らすってヤツなのか?・・・別によ、焦らしたっていいけど、後で後悔するのは○○、おめぇだぜ?あんまり焦らすと、俺はおめぇごと食うからな。

 何だ?○○が俺の顔をじっと見てるぜ。それも真剣な表情で。

「ジェイクは・・・チョコ、貰わなかったの?」

 は・・・?貰う訳ねぇだろ!!俺が欲しいのはおめぇのだもん。

「貰う訳ねぇだろ」

「どうして?」

 “どうして”って・・・訊くなよ!そんなこと!

「そう言うおめぇこそ、何で人ん家でチョコ見せびらかして、挙句の果てにもぐもぐ食ってんだよ」

 はぁ〜!質問を質問で返しちまったぜ俺。いいや、お茶でも飲んで落ち着こう。

 俺は目の前にある、俺自身が淹れた紅茶に口をつけた。

 はぁ?んだよこれ、紅茶じゃなくてお湯じゃねぇか・・・。ああそうか、○○のチョコが気になってティーバッグを入れ忘れたのか・・・。うわぁ、情けねぇ。

「だってバレンタインだし・・・ジェイクと食べようと思って」

 わかってんなら早くチョコをくれよ!おめぇのチョコ、ずっと楽しみにしてたんだぜ?俺!・・・ん?待てよ・・・?

「バレンタインで、会社の友達と交換したってことは・・・会社の男にもチョコやったのか?」

「え?そーだよ?義理チョコね」

 かーっ!!!!許せねぇ!!義理チョコの分際で○○の手作りを食うなんて!俺なんか本命チョコなのに、そのチョコすら貰えてねぇのによ!!!

「義理チョコは女子社員みんなで買ったものだけどね」

 え?買ったのか?買ったのかよ!・・・ならいいけどよ。


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