「ジェイク!見て〜!」
俺の家のリビング。テーブルを挟んで向かい側に○○は座り、楽しそうにしている。何でも昨日、会社の奴らとチョコを交換したらしい。巷で有名な“友チョコ”というやつだ。そのチョコを、今、俺の目の前に並べ見せびらかしている。
・・・○○、俺にももちろんあんだろ?お前の手作りチョコ!
○○は並べたチョコを指さし、「これは誰に貰った」、「この子は菓子作りがうまい」などと俺に丁寧に説明をしている。
そんな説明はいらねぇんだけどなぁ。
「ん〜!!美味しい!!」
○○は例の友チョコとやらを口に運び、美味いと言っている。でも、食べるだけで俺にくれる気配はない・・・。
ああ!でもよ、おめぇの作ったチョコ以外いらねぇから、今おめぇが食ってるチョコはくれなくていい。貰っても、間違いなく“くそ不味い”って言っちまう自信が100%俺にはあるからな。うんうん。○○、全部食え。全部だ。
「ジェイク〜、ジェイクも一緒に食べる?」
“一緒に”っておめぇ・・・。嬉しいこと言ってくれんじゃねぇか!!だが!!そのチョコはいらねぇ!“おめぇのチョコ”が欲しいんだよ俺は!!!
「・・・いらね」
「いらないの?じゃあ、食べちゃうね」
どうぞ。ぜぇーんぶお食べ。俺は最後におめぇのチョコを食うんだもんね。
それにしても、○○が俺へのチョコを出す気配が全くない。友チョコを交換するのに自分のチョコを手作りしてんだ。俺のことを忘れてる訳ではあるまい。
これはおめぇの作戦・・・焦らすってヤツなのか?
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