俺のバレンタイン
一体どうやって間違ったというのか。○○の話によると、バレンタインだから俺のためにチョコケーキを作ってくれたらしい。そして、そのケーキを俺の家に送るために包装した。しかし、親戚から遅いお歳暮であるこの肉が入った小包が届き、綺麗に伝票を剥がしていたために間違えてしまった。・・・両方とも白い段ボールパックで、キッチンのテーブルに並べて置いておいたらしい。
それで肉か・・・。
「それで・・・そのケーキは?」
『生物だし・・・もう半分以上食べちゃった』
受話器から申し訳なさそうな○○の声が聞こえた。
『ごめんね、ピーちゃん。』
「いや、肉も好きだから大丈夫だ。それより、本当にありがとうな。わざわざ俺のために作ってくれて」
ピアーズは、何よりも自分を想ってくれる○○の気持ちが嬉しくてたまらなかった。
『ねぇ、ピーちゃん』
「ん?」
『今度ピーちゃんが帰ってきたらまた作るから、食べてくれる?』
「食わない訳ないだろう。食わせてくれ」
受話器越しに○○の声を聞きながら、ピアーズは夜空を見上げ嬉しそうに微笑んだ。
「次の休みは、そっちに帰るから」
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