ョコレート・サンプルを回収せよ!

「何なんですか?さっきのU.B.C.S.隊員・・・!」

 ハァハァと息を切らしながら○○が訊いた。

「お前を狙う変態だ。○○、私から離れるな!」

 ハンクの言葉に頷き、任務を続ける。博士の研究室でチョコレート・サンプルを回収するまでは無事だった。・・・無事で居られた。

 しかし、この後からがとんでもなく大変だった。

 自らにチョコレート・サンプルを注入したバーキンが暴走を始めたのだ。ドシドシと足音を立てながら近づき、色々な物を破壊していく。

「走れ!!」

「マスター!!あのサンプル、自分自身に注入したらどうなるんですか!?」

「自分の好きな人をとことん痛めつけるんだ!!好きな人にサンプル入りチョコを食わせるのとは全くの逆だ!気を付けろ○○!!」

 走りながら聞こえたハンクの説明に、○○はなぜ自分が気を付けるのかと防毒マスクの中で首をかしげる。

「○○!さっきのU.B.C.S.と同じで、バーキンの狙い、つまりバーキンの好きなヤツも○○!お前なんだよ!」

 続いて聞こえたベクターの言葉に、○○は防毒マスクの奥深くで般若のような表情を作った。

 私、バーキン博士と面識ないよ!?ってか何でそんな人に痛めつけられなきゃならないの!!何ちゅうサンプル作ったのよっ!!!・・・ん?

 ○○は自分のすぐ後ろに何者かの気配を感じた。走りながら後ろを振り向くと・・・。

 嘘・・・。

 宙を舞う○○の体。程なくして地面に叩き付けられた。

 い・・・痛・・・。

 ハンクが駆け寄り、「ベクター!スペクター!援護しろ!」と言っているのが聞こえる。

 マ・・・スター・・・・・・。

 ハンクの腕の中で、○○はぐったりと動かなくなった。


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