レンタインデー!ナナ食べたいんでい!

 古くなってヒョウ柄になったとバナナと、今日買ったバナナを輪切りに。

 ○○とクリスはガス台の前に並び、輪切りにされたバナナをフォークで刺しては、鍋の中のチョコレートに浸けて口へと運んだ。

「美味いな」

「たまには、こういうのもいいでしょう?バレンタインだもん」

 ○○は、チョコレートの付いたバナナをクリスの口の前へと持って行く。

「いつもありがとうね、クリス」

「こちらこそ、いつもありがとうな、○○」

 ○○のフォークを持つ手に自分の手を重ね、もぐもぐとクリスは口を動かす。

「それにしてもこれ、濃厚な味のチョコだな・・・どこで買ったんだ?」

「ん?すぐそこのスーパーだよ?」

「そうか。美味いな」

 クリスは微笑んで、○○の頬にキスを落とした。しかしその途端、驚いたような目をするクリス。

 クリスの目線の先には、○○の額にうっすらと浮かぶ汗があった。

 この濃厚な味は・・・?

 クリスは鍋の中のチョコレートと○○の額の汗を交互に見つめた。

「まさかな・・・」


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