南瓜野郎と南瓜に目鼻

 一方、スペクターはというと・・・。

「潔く死ぬがいい・・・」

 尻餅をついたU.B.C.S.の女兵士に、銃を向けながらじりじりと近付いているところだった。

「や、やめて・・・」

「ほほう・・・今になって命乞いか・・・?」

 スペクターは涙声を発する女に手を伸ばすと、顔面のマスクを勢いよく剥ぎ取った。その勢いで女は床に顔を打ち付け、死の恐怖に怯えて涙を流しているのがよく見えた。

「ふん・・・ブサイクな面だな・・・」

 スペクターは女の顎を掴むと自分の方に向かせる。

「ほう・・・ずんぐりはしていながいがこの際だ、言ってやろう」

 スペクターは顎を掴む手に力を入れる。

「お前のそのみっともない顔・・・南瓜に目鼻だな・・・」

 女の顔は涙で真っ赤だった。そして、床に顔を打ち付けたせいで片方の頬が腫れていた。

「今この場で、自分自身のことを南瓜に目鼻だと認めるなら、殺さないでやってもいい」

 スペクターは掴んでいた手を一旦放すと、その次には勢いよく女の服を掴み、土下座のような姿勢にさせる。

「さぁ・・・言え・・・!」

 非情に笑い、女の頭に銃を突き付ける。

「お前は特別にこの紫色の光で飾ってやろう・・・さぁ・・・早く・・・言え・・・」

「・・・わ・・・私は・・・っ・・・ぅぅ」

 ぶるぶると女は震える。

「聞こえんなぁ・・・!?」

「わ、わた、しは!」

「“聞こえない”と言ったのが聞こえなかったのか?・・・さぁ、言うんだ!早く!この南瓜に目鼻め!」

 スペクターは女の頭をぐっと掴んだ。

「私は・・・っ!・・・かぼ、ちゃ、に・・・目鼻・・・で、す」

 女がやっとのことで絞り出した言葉と、紫に光るのは同時だった。


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