日本食南瓜料理ハロウィン

 夜の食卓に南瓜料理が並ぶ。さくっと揚げた天麩羅に、シンプルに煮ただけの物。そして、そうめん南瓜の酢の物。忘れてはならないほかほかの白米と、ベクターの師匠であるハンクから貰った豆腐の味噌汁。

 温かい食卓と料理の香りに、○○とベクターの腹からは食べることを催促するような音が発せられる。

「食うか!」

「うん!」

 まずは天麩羅。

「こっちが普通の南瓜で、こっちが栗南瓜か・・・」

 口をもぐもぐさせながらベクターは○○を見つめる。

「美味だ・・・!」

「うん!すっごく美味しい!!」

 次はシンプルに煮ただけの南瓜。こちらも普通の南瓜と栗南瓜の両方で作り、食べ比べをする。

「わぁ〜!ほっくほくだ〜!両方美味しいね!!」

「あぁ、美味いな!」

 そして、ご飯や豆腐の味噌汁を飲みながら、箸休めのそうめん南瓜の酢の物を食べる。

「あっ・・・これ美味しい・・・!!」

「ふむ・・・いけるな!」

 色々な種類の南瓜の食べ比べのはずだが、結局どれも美味しいため、コメントは常に「美味しい」の一言である。

 ほくほくした南瓜料理に、二人の顔はどんどんほくほく顔になっていく。ご飯が進み、南瓜が進み、味噌汁が進む。

「楽しいね!ベクター!!」

 ご飯が二杯目にさしかかった○○が嬉しそうに笑う。

「こういうハロウィンもあるんだね!今日は呼んでくれてどうもありがとう!」

 特にハロウィンらしいことをした訳でもない。ただ単に、ハロウィンに付き物である南瓜を料理して食べただけのこと。それでも、何となく特別な日と思えるのは、二人とも一緒だった。

「俺の方こそ、来てくれてありがとうな」

 ご飯が三杯目のベクターも嬉しそうに笑った。

「ん!そうだベクター!!私、あれも食べたい!!」

「何だ?」

「ほうとう鍋!!」

「おっ!いいな!今度作るか・・・来週、空いてるか?」

「うん!空いてる!!」

「じゃあ、決まりだな!」

 ほくほくと、温かさと嬉しさが溢れる二人の食卓。この二人の日本食南瓜料理ハロウィンはまだ終わらない。


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