日本食南瓜料理ハロウィン
「あのぉ、ベクター・・・?」
どの種類の南瓜が美味いのか食べ比べてみると言う彼に、○○は苦笑いを見せる。そして、ベクターが切ったであろう黄色い細長い南瓜を指さした。その南瓜は種の間に白滝を更に細くしたような繊維が見えている。
「そうめん南瓜は・・・天麩羅にしても美味しくないと思うよ・・・?」
○○が指差す南瓜は「そうめん南瓜」という種類だった。輪切りにして茹で、その後冷水に入れると果肉がそうめんのように細く解れるので、そのような名前が付いた南瓜だった。
「そうめん南瓜?そんな物あったのか・・・じゃあ、こいつは天麩羅ではなくちょっとした箸休めに・・・酢の物にするか」
○○の隣でベクターが楽しそうに笑う。天麩羅だけではなく色々なレシピが増えそうだ。
「うん!って、あっ・・・!」
流しには他の種類の南瓜も沢山あったのだ。オレンジと黒が半半の物、ブツブツと吹き出物のような凹凸が沢山ある物、ズッキーニのような物・・・。
「ベクター!これは園芸用品種だよ!」
「そうなのか?じゃあ、これは?」
ベクターは横から見ると栗のような形をした南瓜を持ち上げる。
「これは栗南瓜!甘くて美味しいよ!すっごくほくほくしてるの!」
「○○はよく知ってるな」
ベクターは優しく笑うと、○○の頭をそっと撫でた。
「ちょ、ちょっと!」
普段されないことをされた○○は、びっくりすると同時に戸惑ってしまう。その顔は心なしか赤い。
「さて!中に入るか。冷えて来たからな」
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