カボチャ畑のベルトウェイ 2014
○○とベルトウェイが心を通わせてからちょうど一年。町の人々から恐れられていたベルトウェイは、○○が彼の傍に居るようになってからは、恐怖に繋がるイメージを払拭しつつあった。二人で一緒に買い物に出かけたり、クリスマスやそういった行事の時期になると大きな畑に飾り付けをしたり、互いの友達を呼んでお茶会をしたり。これらは人々の恐怖心を取り除こうと頑張った行動ではなく、○○とベルトウェイが二人でとった素直な行動だった。そんな二人を見て、町の人々もベルトウェイに対する見方が変わったのだ。
一年前の今日にベルトウィがパンプキンパイを作ってから、二人は色々な菓子を作った。お茶会に呼んだ○○の友達も一緒に作ったり・・・幸せいっぱいの日々だった。
しかし、そんな幸せは急に終わろうとしていた。
「ベルトウェイさ〜ん!」
「ん?あぁ・・・」
○○がいくらベルトウェイを呼んでも、彼は楽しそうな返事をしなくなったのだ。彼の家に行っても元気がない。携帯で電話をしても声に張りがない。
「ベルトウェイさんってば〜!」
ぼんやりとどこか遠くを見つめるベルトウェイ。
「ねぇ!畑に行ってカボチャ見ましょうよ!」
大好きな人の家に来ているのだ。やはり、大好きなカボチャの並ぶ畑に一緒に行きたい。
「ん・・・俺は今日はいいや・・・」
「え?」
ベルトウェイがこのような状態になったのは、いったいいつ頃からだっただろうか。
「あ・・・一か月くらい前からだ・・・」
○○は呟いた。なぜ彼がこうなったのかわからない。原因が何にあるのかも。しかし、急な態度の変化が、○○にはどうも腑に落ちない。
○○は勢いよく彼の腕を掴むと引っ張るようにする。
「ベルトウェイさん!何があったのか知らないけど!畑に行きましょう!!気分転換に!!」
「いや、俺はいい」
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