○○・・・悪いが明日のハロウィンは一緒に過ごせそうにない。また任務が入ってしまった。・・・全く・・・U.S.S.の上部も急に言ってくれる物だな・・・。

 しかし、花が大好きなお前なら、私がこれから贈ろうとしている物が何かわかるだろう。かつてお前に教えてもらった花だ。


ンダーソニア


 ハロウィン前日の、もう夜に近い時間に聞こえたインターホンの音に、○○は嬉しそうに玄関に向かう。少し前に恋人のハンクから携帯に電話があり、こちらへ来ることになったのだ。しかし、その時のハンクの声は忙しさを含んでいた。急に“こちらへ来る”と言うあたり何かあったのだろう。

「ハンクさん!!」

 そうあれこれ考えてもやはり、好きな人と会えるのは嬉しい物である。○○は笑顔で出迎えた。

「○○・・・実は―」

 玄関のドアが開いたままの状態で口を開くハンク。しかし、○○の言葉がそれを遮った。

「ハンクさん、忙しいのはさっきの電話でわかりましたよ?でも、少しだけ上がって下さい。ね?」

 ○○はハンクの手を取って室内へと促す。そして、にっこりと彼に微笑んだ。

「コーヒー一杯分くらいの時間はあるでしょ?」


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