ラクーンの同窓会(ver.Christmas)


「あっ!もしもし!?デボちゃん!?」

「もしも〜し!○○ちゃん!?あのね・・・実は・・・お姉ちゃんとこれから出かける用事ができちゃって・・・同窓会に行けなくなっちゃったの・・・」

 用事ができてしまったならば仕方がない。○○が電話を切ると、今度は他の人から着信が来た。

「おっ!!○○か!?」

「ジェイク〜!!」

「すまねぇ!○○っ!!・・・シェリーと雪山で遭難して・・・本当は帰れるはずだったのに帰れねぇっ!!」

 任務先でならば仕方ない。よくあることだ。○○が電話を切ると、携帯の画面にはジェイクと通話中に他の誰かから着信があったことを知らせるマークが表示されている。すると・・・

「あぁ!やっと繋がった!!」

「ピアーズさん!!」

「○○、ごめん!!BSAAの・・・俺達のクリスマス会で・・・バナナケーキのバナナが腐ってたみたいなんだ・・・俺も隊長も今まで頑張ったけど、下痢が酷くて同窓会に行けそうにないんだ・・・!ぐあぁっ!・・・」

 苦しそうな息遣いをしている。食中毒ならば、これはどうしようもない。




 その後もぞくぞくと着信は続き・・・結局、○○以外、誰も来ないことになってしまった。みんなが来ない本当の理由は、誰もクリスマスをレオンなんかと一緒に過ごしたくないからである。しかし、本人にそうも告げられないため、何かしらの理由をつけて○○に連絡してきたのだ。悲しくも、そのことを○○も本人も知らないのだが。

「はぁ・・・」

 ○○は、大きなテーブルに並べられたケーキやチキンを、クリスマスをレオンと一緒に過ごさなくてはいけないという恨みの籠った眼で見つめた。


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