The Starry Skies In December

「なぁ、○○。北極星あるだろ?ほら、あの話だ」

「うん!あの話ね!」

 “あの話”・・・昔、「道に迷った時は北極星を目印に進む」という話を互いにしたことがあった。北極星の位置が北の方角の目印になるという、誰でも知っているような話だ。

「俺は」

 クリスは言葉を発すると同時に、○○を後ろからそっと包み込んだ。

「俺は・・・○○という北極星を頼りに、必ず帰ってくる。だから・・・これからも傍に居て俺を導いてくれ」

 自分の頬に彼の頬が静かに触れる感触がする。そのまま彼へと眼を向ければ、優しい眼差しがこちらを見つめていた。

 そんなクリスに向かって、○○は嬉しそうに笑顔をを見せた。夜空に輝くどの星々よりも輝く笑顔を。

「はいっ!!」




「ねぇ、クリス!あの星ってね〜!―」

「ん?どれだどれだ?―」


The Starry Skies In December

 12月の星空がお前は大好きだったよな。デートの帰りにはいつも、星のよく見える丘に二人で登ったよな。これからも、丘で、ここで、こうやって一緒に星を見ような。



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