こうして、四つん這いの○○をハンクが叩くことになった。

 ―叩き出してすぐ―

「止めて!!ハンク!!」

 2、3回叩いただけだった。

「お願い!!……やぁ……っ!!!」

 ○○は思い出したのだ。ハンクがアンブレラの兵士であり、そんじょそこらの男共よりも強いということを。あまりの痛さに、「痒さを忘れる」を通り越して別の何かになりそうだった。(もちろん、ハンクはかなり手加減して叩いている)顔を(痒さと暑さと痛さで)真っ赤にし、(あまりの痛みに)涙を流しながら抵抗した。

「お前が『こうして欲しい』って言ったんだろう?」

 この状態にげんなりしながら、ハンクは「ぺちぺち」という表現が似合う叩き方を続けた。(この「ぺちぺち叩き」でさえも、○○は痛いらしく、睡魔が襲うまで痛いと言い続ける。)

 やがて、疲れ果てた○○が眠った後、ハンクは彼女を見つめ、考え事をしていた。未だに出続ける蕁麻疹。薬はなく、夜なので病院も閉まっている。少しでも彼女の蕁麻疹を抑えたり、楽になる物はないだろうか……そんなことを考えていた。(もちろん、純粋に○○を心配する気持ちもあるが、「毎度毎度、蕁麻疹騒ぎに付き合わされては堪らない」という率直な感情も含まれている)

「あっ!そうだ!!」

 そんな時に思い付いたのが、軟膏(白い)であるオロロナインだった。蕁麻疹に効くかはわからないが、効能・効果の説明書きには「吹き出物」にも効くと書いてある。

 内腿にびっしりできた蕁麻疹が兎に角痒そうだったため、ハンクはまずそこにオロロナインを塗ろうとした。しかし、つい付けすぎてしまったため、腹部にその軟膏を移す。そこまでやったところで、「少しコーヒーでも飲んで休憩しようか」と思ったのだが、「このめんどくさいことを、さっさと終わらせてしまおう」と思い直し、再び腹部のオロロナインに手を伸ばしたのだった。しかしその瞬間、運悪く○○が目覚めてしまった。○○が起きている時に軟膏を塗るのは至難の業だった。(触れると「痒い」と騒ぐし、じっとしていないため)そこで、オロロナインの付いた指先を見せながら「塗るぞ」と合図し、内腿にしっかりと塗り込んで行ったのである。

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