リクラ


 賑やかな音楽の中、プリクラ機にお金を入れると、アナウンスが流れ出す。その声に従って肌の色を選び、補正の強さを決め、適当な背景を決める。

「行くぜ!○○!!」

「うわぁぅっ!!」

 カメラが動き、目の前の画面に自分たちが映し出されると、ジェイクは勢いよく○○を引き寄せた。

「○○!!座れ!!そしてこうだっ!!ほら、早くしろっ!!」

 ○○を引き寄せたまま、その場に胡坐をかくジェイク。そして、先程買った大きなリンゴ型クッションを両手で抱え、かぶりつく真似をする。

「ほらっ!!○○!お前も!!」

 ジェイクの元気のよすぎる声に、○○も慌ててジェイクの真似をする。

―カシャッ!

「次行くぜーっ!!」

「ジェイク・・・」

 楽しそうなジェイク。そんな彼の無邪気な笑顔を見て、○○も自然と笑みが零れた。

「ねぇ!ジェイク!!これはどう!?」

 二人してリンゴ型クッションを床に置き、その上に足を組んで座る。そして、悩める科学者がやるように、額や蟀谷に手を当てた。

―カシャッ!

「ははっ!面白れぇっ!!!」

 ○○の方を見て、歯を見せて笑うジェイク。○○もまた、同じように歯を見せて笑った。

 そして―。

「○○ーっ!!」

 リンゴ型クッションに座ったまま、ジェイクが○○を、ぎゅっ!と抱き締めた。

―カシャッ!


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