大丈夫だ
「○○、あるぞ。痩せる方法が」
ハンクはちょっとした悪戯を思いついた。もちろん本気ではない。ただ冗談のつもりで。
「何それ!?走るのより楽!?」
何と言おうかハンクは迷った。自分の考えでは楽だ。「自分」は。初めに、○○が楽にできるように自分がちょこっと働くだけで、その後は仰向けで寝てればいいのだから。
「・・・楽だ。私はな」
「『私は』ってことは、私は楽じゃないの?」
「そりゃそうだ。お前が痩せるために運動するんだからな」
「あ、そっか。ね、その運動ってどのくらいの回数するの?頻度は?やっぱり、30×3を朝・昼・晩とか?」
「―ぶっ!!!」
口に入れた豆腐をふき出したハンク。その回数はどうやってもムリだろう。その手の専門家でもさすがに・・・。そんなにできたらギネス記録級だ。と言うより、異常だ。
「毎晩、寝る前に、そうだなぁ・・・」
またもや何と言おうか悩むハンク。回数に関しては「好きなだけ」とか「飽きるまで」と言えばいいのだろうか。・・・と言うか、ここまで怪しい発言に、いったい何のことなのか気付いて欲しいものだ。
「・・・その時の状態によってだ」
「ふ〜ん。ま、いいや!走るのより楽だよ!よしっ!さっそく後で寝る前に教えてハンク!!」
「―ぶぉっ!!」
またまた豆腐をふき出したハンク。ほんの冗談で言ったつもりなのに、まさか、真に受けるとは・・・。
「―本当に教えて欲しいのか?」
「うん!痩せたいもん!」
「・・・腰が痛くなるかも・・・と言うか、痛くなるぞ」
「え?平気だよ〜。すぐに慣れるよ」
そうか・・・ならば仕方ない。教えてやろう。
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