んみつ

『は〜い。○○です。もしもし?ベクター!!』

「ベクターだ。久しぶりだな、○○」

 嬉しそうな○○の声にベクターも自然と嬉しそうな声が出る。

『久しぶりって、一昨日会ったじゃん』

 電話越しで笑う○○。

「なぁ、○○。今から俺ん家に来ないか?」

『えっ!行っていいの!?』

「ああ!あんみつ買って、さっさと来い!!」

『ベクター、まさか、あんみつ買わせるために、電話して来たんじゃないよね・・・?』

 ギクリ。痛いところをつかれたベクター。

「違う!お前の顔が見たくなっただけだ!そ、そしたら、あんみつが切れてたから買ってきてもらおうと・・・」

『ふ〜ん・・・ま、私も買い物あったから別にいいんだけどさっ』

「そ、そうかっ!悪いなっ!じゃあ、あんみつ十個な!!」

『え!私、そんなにいっぱい買うの!?』

「ああ!頼む!あと、バニラと抹茶のカップアイスも忘れるなよ!それから、あんこの缶詰もだ!こしあんじゃない!粒あんだぞ!!」

 声大きく、早口になるベクターに○○は「はいはい・・・」とため息混じりに笑う。

「じゃあ俺は、準備してるからな!早く来いよ!」

 ベクターはそう言うと、携帯を切りニンマリと笑った。

 これで、あんみつが食える!

「さて、茶でも淹れるか」

 ベクターはコタツから這い出ると、陽気に準備を始めた。


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