あんみつが・・・あんみつが食いたい!!!


んみつ


「あぁ!くそっ!!」

 一人、コタツに肩までつかるベクター。そのイライラは噴火寸前だった。ベクターの上にヤカンを乗せたら、三分ぐらいで沸騰するかもしれない。それほど凄まじい雰囲気が、今のベクターには漂っていた。

「あんみつが・・・あんみつが食いたい!!!」

 そう、ベクターのイライラの原因はただ一つ。「あんみつ」だ。彼の大好物であるあんみつは、常に冷蔵庫にストックが五、六個ある。しかし、切らしてしまい、そのまま買いに行く暇がなかったのだ。まさか、ストックがなくなっているとは思わなかった。多くても、一日あんみつ一個と決めていたのだが、一昨日、朝・昼・晩とあんみつを食べてしまってはしょうがないか。

「あ・・・そういえば昨日、スペクターが家に来た時、あんみつ出したな・・・」

 昨日、用事がありベクターの家へとやって来たスペクター。その時に自分が出したあんみつを「美味だ・・・」と、あのねっとりとした口調で言っていたのを思い出した。

―チッ!

 ベクターは舌打ちをした。なぜ昨日、あんみつのストックを確認しなかったのか。あんなヤツに、あんみつを、しかも最後の一つを出さなきゃよかった!

 ベクターはコタツを蹴り上げた。

 アイツしか居ないな・・・。

 ベクターは自分の横にある携帯に手を伸ばすと、ある人物の番号を見つめた。

 ○○・・・留守電だったらぶっ殺すからな・・・。


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