ラブラブ大作戦!
「・・・お願い!ピアーズ!起こしてっ!!」
「―はい!?」
突如聞こえた○○の辛そうな声。何かと思えば、○○は「ピアーズ!足!足!!」と、必死でピアーズの足を退かそうと手で叩き、自身は起き上ろうと体をよじっている。
ピアーズは、訳のわからないまま、自分の足を○○の頭の下から急いで退かした。
「きゃっ!」
ベッドに打ち付けられる○○の頭。○○は眉を寄せ、自分の首をさする。
「あぁ〜。く、首が痛い・・・」
そう。ピアーズに膝枕をしてもらった直後から、○○は首が痛くてたまらなかったのだ。ピアーズの足には、○○の想像をはるかにこえる筋肉が付いていた。その筋肉のせいで、いつも使っている枕よりも、随分と高い位置に頭がいってしまった。そして凄く固い。そんなピアーズの足に頭を乗せた暁に、○○は見事に首が痛くなったのである。
「・・・ぷっ、何やってんだよ」
○○を見ていたピアーズは、思わず笑ってしまった。しかし、「え?」と言いこちらを見る○○の瞳に、己の心の跳ね上がりは止まらぬまま、ピアーズは○○の上に覆いかぶさった。
「・・・俺を興奮させてどうするつもりだよ・・・」
散々、人を興奮させた罰として、○○に対してピアーズに悪戯心が芽生える。もちろん、○○のそれが故意でないことぐらいわかっているのだが。
「え!?」
ピアーズを興奮させようなどと、全く頭になかった○○。突然のピアーズの言葉に驚きを隠せない。○○は徐々に近づいてくるピアーズに目をぎゅっと瞑った。
「○○・・・」
“冗談だ”とピアーズは言いながら○○の隣に寝転び、彼女の頭の下に自分の腕を入れる。
「ちょ、ちょっと!ドキドキして損した!!」
「俺は昼間っからそんなガツガツしてないの!ってか俺は、今、○○がドキドキしたのよりもずっと前から○○にドキドキしてたんだけど?」
いろんな意味で・・・な。ったく、心臓に悪いぜ。とピアーズは心の中で毒づく。
「本当に!?」
“今、○○がドキドキしたのよりもずっと前から○○にドキドキしてた”のピアーズの言葉に○○は嬉しそうに笑顔を向ける。
「じゃあ、私達、今“ラブラブ”してる!?」
「今と言うより、いつもだろ?」
「やったぁ!!!」
○○は満面の笑みをピアーズに向けた。
「じゃあ、ラブラブの昼寝だ」
○○を引き寄せ、額にキスを一つしてピアーズは微笑んだ。
ラブラブ大作戦!、@ヘッドマッサージと肩もみで疲労よさようなら!そして次に、Aお昼寝に最適!腕枕!、最後に、Bお昼寝の醍醐味!膝枕!!!、何一つ成功してないような気がするけど・・・いいの。いつだって多分、二人っきりではラブラブだから。
「ピアーズ大好き!」
「ん。俺も」
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