ブラブ大作戦!

 ○○の次なる作戦は「Aお昼寝に最適!腕枕!と、Bお昼寝の醍醐味!膝枕!!!」である。

「ささっ!ピアーズ、ベッドに横になって!!」

「はぁっ!?」

 やって来たのはピアーズの寝室。ピアーズは○○の言葉に変な声を上げた。

「え?ピアーズ、どうしたの?」

 きょとんとした顔をピアーズに向ける○○。

 ○○は気が付いているのだろうか。先程からの言動が、ピアーズを理性の崖っぷちへと追いやっていることを。

「別にどうもしないよ」

 全く、人の気も知らないで・・・と内心毒づきながらも自分のベッドへ横になるピアーズ。どうして今このタイミングで、ベッドに横になれなどと言うのか。ピアーズは「あぁ、心臓に悪い」と、枕に顔をうずめると同時にため息をついた。

 ○○が横に寝転ぶ気配がする。

「ピアーズ、ちょっとおでこ、ごめんね」

 そう言うと、彼女の腕が自分の額の下に入ってきた。



 五分程経過した後・・・。

「どう?ピアーズ」

「・・・何が」

「腕枕!!」

「はぁっ!?」

 またもや、素っ頓狂な声を上げたピアーズ。

 ちょっと待て、これのどこが「腕枕」なんだ?

 ベッドにうつ伏せになっているピアーズの体。枕と額の間には○○の腕。その腕のせいで、頭が若干高い位置になってしまい、ベッドからピアーズの肩らへんが少し浮いている。

「・・・これ、腕枕じゃないよな?」

「うん。ピアーズ、うつ伏せに寝たし、普通に腕枕するのもつまらないから」

「この恰好、俺、結構辛いんだけど」

 ピアーズの上半身が小刻みに震えている。

「う〜ん。やっぱりうつ伏せじゃ腕枕はムリか・・・」

「・・・って言うか、ラブラブするために腕枕なら、○○がするよりも、俺が腕枕する方がいいんじゃないの?」

 ピアーズは起き上り、「ほら」と自分の腕に○○を促した。

「あー!!いいのいいの!ピアーズはゆっくり・・・・・・」

 言いかけて、何かを思いついたように○○は言葉を止めた。そして、嬉しそうにピアーズを見やる。

「じゃあさ、腕枕じゃなくて、膝枕して!?」

「―はぁ?」

 ○○はキラキラした眼をしていた。


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