ラブラブ大作戦!
「さぁ、はっじめますよ〜!!」
ソファーに座るピアーズの後ろで○○が手をプラプラさせ、ピアノを弾くように構える。
「何すんの?」
「ヘッドマッサージ!!たあっ!!!」
言いながら○○はピアーズの頭に勢いよく触れた。そして、指先に力を入れ、あっちこっちとマッサージを始める。実は、○○は友達の頭を借りてマッサージの練習をしていたので腕には自信があった。その友達も「気持ちいい」と絶賛していたのだ。
ところが・・・。
・・・あれ?何だか・・・ピアーズ、頭がデカい!?って言うか、頭皮がもの凄く固いんだけど!!!身体を鍛えてる人って頭皮も筋肉になるの!?
そう、○○はマッサージをする相手が「男」ということを計算していなかった。練習させてもらった友達はもちろん女だ。頭の大きさが違って当たり前である。
「・・・ピアーズ、頭どう?」
「う〜ん・・・」
何と言おうかピアーズは考えた。確かに気持ちいいことはいいのだが、いかんせん、力がない。
「もう少し力を入れてくれ・・・」
ピアーズはそう言うと、目を閉じた。
「うっし!わかった!じゃあ、肩に行くねっ!!」
「おい!頭はもう終わりかよっ!!」
○○の言葉に、ピアーズは閉じた目を高速で開きツッコミを入れた。
肩もみを始めること15分・・・。○○の腕は早くも限界を迎えていた。肩凝りをほぐすどころか、筋肉のついたピアーズの肩では肩凝りがどこだかわからず、逆に自分の肩が凝りそうになってきた。
「ピ、ピアーズ・・・どう?」
震える手に「頑張れ○○」と心の中で励ましながら、息も絶え絶え、ピアーズに聞いてみる。
「・・・もう少し力が・・・」
「ええっ!?これ以上、力入れたら、肩が痛くなっちゃうよ!?」
いや、ならないだろ・・・とピアーズは心の中で思いながら、立ち上がり○○の後ろへと回る。そして、力を最小限にして○○の肩を軽〜くもんでみる。
「きゃあぁぁぁぁぁぁっ!!!」
ソファーの背もたれへと崩れ落ちた○○。
「ぴあーずぅぅぅ・・・痛いよぉ・・・」
涙目になりながら自分の肩をさする○○。その姿を見てピアーズの心は跳ね上がった。
いかんいかん!昼間っから何を考えているんだ俺は!
邪念をはらうように頭を左右に振り、○○から目をそらす。
「どうする?肩もみ、まだ続けるか?」
ピアーズは、いたって平静を装った。
「いいえ。次に行きます」
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