危ないおっさん
「綺麗だ・・・」
真夜中、男は吐息がかかる程近くで囁いた。ゆっくりと、包み込むようにして触れれば、スベスベとした感触が男の掌全体に伝わる。
「やっぱりお前は最高だ・・・」
男は口付けを落とすと、更に手を這わせた。存在を確かめるように、時折強く、しかし優しく触れる。特有の曲線をなぞる男の手は、普段の彼からは想像もできない程しなやかで、酷く優しいものだった。
不意に、男の手が止まる。何かを考えるような素振りを見せた後、男は、徐にその手を上へ移動させる。
「ここにはまだ触れてなかったな・・・」
男の手の先には、既に固くなり、主張した頂きがあった。その頂きにそっと手を伸ばし、親指と人差し指で転がすようにして触れる。
肝心な場所には触れずに、焦らすようすにして男は攻めたてる。それでも、熱は帯びてくるもので、やがて、自分自身のものか、はたまた違うものか、持て余した熱をしっかりと感じた男は静かに笑みを浮かべた。
口付けと共に、男の手は下へと移動する。柔らかく、それでいてしっかりと引き締まったそこに、男は優しく触れる。上へ下へ、右へ左へと指の腹でなぞるようにして感触を楽しむと、ゆっくりとその部分に唇を寄せた。
「もうそろそろ大丈夫か?」
男は、優しげなその瞳をまっすぐに向けた。
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