―Snipe Of Love―
「わあぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」
ピアーズは悲鳴と共にガバッとベッドから身を起こした。色々な意味で心臓がバクバクしている。
「はぁっ・・・はぁっ・・・」
眼だけを動かし周りを見渡せば、明るくなりかけた空によって自分の部屋の中が映し出されている。今自分が居るのはBSAAの更衣室でも仮眠室でもない、紛れもない自分の部屋である。
「俺の部屋―」
ピアーズは息を吐き出すと、起こしたばかりの身を元に戻した。
「夢・・・だったんだよな?」
枕元の携帯電話を開けば、日付はBSAA見学日の朝。時刻は午前5時30分になるところだった。
「ふぅ・・・」
頭の下で手を組んで遠くを見つめていれば、先程の夢のワンシーンが脳裏に蘇ってくる。
夢の中でも・・・アイツかわいかったなぁ・・・。
「俺・・・」
ピアーズはぽつりと呟いた。
「キスしちゃってたな・・・」
・・・・・・待てよ・・・んん!?キス!?
「わあぁあぁあぁあぁあぁっ!!!!!!」
瞬時に掛け布団を頭の上まで引き寄せ、その中で丸くなるピアーズ。鮮明なその時の光景が顔を真っ赤にさせた。
お、落ち着け俺!落ち着けピアーズ!!
ピアーズは自分に言い聞かせながら眼を閉じる。
あいつが俺のことを呼んで、俺が仮眠室の中に入って・・・そうしたらアイツが転けて・・・手を差し出して・・・それでっ・・・!!!
―・・・アルファチームの二ヴァンス・・・お前、今・・・勤務中にいったい何をしていた・・・?
「ぎゃあああああああっ!!!」
ピアーズは再び身を起こした。
「あぁん!もう!ダメだ!寝てられん!!起きよっ!!!」
いつも夜の時間帯に勤務の○○は、BSAA見学のために今日は朝から昼過ぎまでの勤務に変更したと言っていた。STANDING ALONEは朝6時からやっているので、○○はもう居るに違いない。
「行くか!」
9時から始業のBSAAだが、今日は早く出勤しようと思っていたピアーズ。朝食がてらちょうどいいかもしれない。
「よっ!」
ピアーズはベッドから軽快に降りるとバスルームへと向かう。
「いい夢だけど、あの最後は頂けないよな〜・・・」
下着一丁で寝ていたピアーズの身体は汗でベッタリだった。
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