―Snipe Of Love―
「腹が減ってたなら言ってくれよな〜」
「嫌ですよ〜!!」
「何で」
「恥ずかしいじゃないですか!」
○○は「況してや男の人の前で」と付け足すと、掌の中でホカホカするたこ焼きに嬉しそうに視線を移した。
○○の腹があまりにも賑やかなため、コンビニでたこ焼きを買い公園へとやって来たのだ。実際は、ピアーズが買ってくれたのだが。いつも缶コーヒーをもらっているため、「自分でお金を出す」と○○は言ったのだが、ピアーズは「俺が出す!」と譲らなかったのだ。「お腹がすいてるのは私だし、やっぱり私が!」と○○は言うのだが、やはりピアーズは譲らないのだ。こうしたやりとりを5分程続けた後、○○が折れたのだ。
ベンチの○○の隣に、にこにこ顔で座るピアーズ。先程のような小さなやりとりでも、彼にとっては嬉しくて堪らないのだ。もちろん、嬉しそうな緩みきった顔は○○からは見えない方に向いているが。
「二ヴァンスさん、一緒に食べましょうよ」
「おう」
たこ焼きに爪楊枝を差したピアーズは○○を見つめた。まだ熱いたこ焼きを、ふぅふぅと冷まそうとしている。
「さっきの話・・・見に来いよ、今度。BSAAを!」
「・・・え!?いいんですか・・・!?」
「もちろん!」
目をキラキラさせる○○に、ピアーズはぐっと親指を立てて笑った。
[ back to top ]