5月の雨
―Snipe Of Love―

 あ・・・雨、降ってきたんだな・・・。

 いつもの4人組が座る所から少し離れたテーブルで、○○は台布巾を動かす手を止めて窓の外を見つめた。

 5月に入ってすぐの今日。何時頃からか曇ってきた空からは、いつの間にか滴が落ちてきていたようだ。次から次へと道路を叩く滴の音が、賑やかな店内にまで響いている。

 土砂降りだな、こりゃ・・・。

 しかし、心配する必要はない。自分はここに車で来たのだから。

 洗濯物、取り込んできてよかった〜!

 そんなことを考えていると、店員を呼ぶ客の声が聞こえてきた。

「は〜い。ただいま伺いま〜す!」

 ○○はにっこりと笑顔を向けた。


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